家族が逮捕された。あるいは、いま服役している。
そのことを、職場でも、近所でも、古い友人にも言えないまま、日常のほうは普通に流れていきます。
手続きの説明をしてくれる人はいても、あなた自身の気持ちを聞く場所は、たいてい用意されていません。「本人じゃないんだから」と言われることもあれば、逆に「身内なんだから」と責められることもあります。どちらを言われても、返す言葉が見つからない夜があると思います。
ここでは、その立場のまま話せる場所の話をします。気持ちを整理してから来る必要はありません。
家族が逮捕・服役していることは、なぜ誰にも言えなくなるのか
「本人ではない」のに、生活のほうは変わってしまう
面会や差し入れ、弁護士とのやりとり、費用の工面、本人が残した仕事や部屋の後始末。仕事を早退する理由をどう説明するか。子どもに何と言うか。親戚に伝えるか、黙っているか。
やったのは自分ではないのに、動かなければならないのは自分——この位置にいる人の話は、あまり表に出てきません。
しかも、誰かに打ち明ければ噂になるかもしれない、という怖さが常にあります。だから黙る。黙ると、余計にひとりになる。その繰り返しの中にいるのだと思います。
相談先を探しても、「家族の側」の窓口は見つけにくい
検索してみると、出てくるのは本人向けの情報か、被害に遭った方向けの窓口が中心です。加害の側の家族という立場は、どの枠にも入りきらないように感じられるかもしれません。
「自分が相談していい立場なのか分からない」。そう思って検索の手を止めてしまう方は、少なくないはずです。
手続きの話と、気持ちの話は、分けてもかまいません
手続き・費用のことは、公的な窓口があります
法律や手続きに関わることは、国が設立した相談窓口が情報提供を行っています。
日本司法支援センター(法テラス)サポートダイヤル
0570-078374(受付:平日9時〜21時/土曜9時〜17時)
法的なトラブルで困っている方に、相談窓口や法制度の情報を案内しています。
もうひとつ、家族の側が相談していい、と明記されている公的な窓口があります。法務省の保護観察所が置いている相談窓口です。
犯罪・非行の地域相談窓口「りすたぽ」(保護観察所)
受付:月曜日から金曜日の午前9時から午後5時まで(祝祭日除く)/相談は無料
お近くの保護観察所に電話で申し込む形です。法務省のページには「刑務所等を出所した方や保護観察を受けていた方、そのご家族や支援者の方など」からの相談を受ける、と書かれています。
「自分が相談していい立場なのか」で迷っていた方には、この一行だけでも意味があるかもしれません。費用や手続きの見通しが立つだけで、少し息ができることもあります。
気持ちのほうは、持っていき場がないまま残る
ただ、手続きが進んでも、気持ちのほうは片づきません。
あの人を憎んでいるのか、まだ大切なのか。自分の育て方が悪かったのか。もう関わりたくないと思ってしまう自分は薄情なのか。相反する気持ちが同時にあって、どちらかに決められない——それは、おかしなことではないと思います。
相談というと、解決に向かって進むものだと思われがちです。けれど、解決しないまま、ただ話す場所があってもいいはずです。
アドナイ・エレ教会は、獄中支援を活動のひとつにしています
アドナイ・エレ教会の活動内容のページには、獄中支援について次のように書かれています。
「更生支援、就労支援、拘留者支援の活動をメインに活動しております。面会代行・差入れ代行・社会に残した関係の処理の代行を行なっています。」
「突然の逮捕・勾留で社会から隔離され荷物や仕事も全て対応できなくなりますよね…社会復帰しにくくなる事を少しでも軽減できる一助となればと思いアドナイ・エレ教会は精力的に動いております。」
(出典:アドナイ・エレ教会「活動内容」ページ)
この記述は、身柄を拘束されている本人を主に想定したものです。家族の立場でどこまで頼れるかは、教会に直接たずねるのが確実です。ここで代わりに「できます」と約束することはしません。
ただ、逮捕や勾留を、遠い世界の出来事ではなく身近な現実として受け止めている教会である、ということは、この文面から読み取れると思います。その話をするときに、いちいち説明し直さなくていい相手だ、という意味です。
懺悔室は「本名はお伝えいただかなくても大丈夫です」と書かれています
アドナイ・エレ教会はオンラインの教会で、懺悔室という相談の入口を開いています。ページにはこう書かれています。
「懺悔室は、裁きの場所ではなく…神の憐れみが流れ出す場所です。どうぞ恐れずにお入りください。」
「本名はお伝えいただかなくても大丈夫です」
「秘密は守られます」(出典:アドナイ・エレ教会「懺悔室」ページ)
どの教派か、信仰があるかどうか、これまでに何があったか——それらを入口で問われる書き方には、なっていません。
ただ、ひとつだけ先にお伝えしておきます。懺悔室の申し込みフォームは、名前・メールアドレス・電話番号・懺悔内容が必須項目になっています。知らずに開いて驚くより、先に知っておいていただいたほうがいいと思います。どこまで書くかは送る方が決めることですし、そこを書ける気がしないという方は、お問い合わせフォームから先に相談することもできます。
「獄につながれている人たちを、自分も一緒につながれている心持で思いやりなさい。」
(出典:ヘブル人への手紙 13章3節・口語訳)
この言葉は本来、外側にいる人たちに向けて書かれたものです。ただ、家族という立場にいる方は、言われるまでもなく、もうその心持ちの中にいるのだと思います。ずっとそこにいる人が、少し降ろせる場所があってもいいはずです。
家族が何をしたのかを、話さなくても構いません。「言いたくない」「まだ整理できていない」も、そのままで大丈夫です。憎んでいる気持ちも、まだ心配している気持ちも、どちらかに直す必要はありません。
関連する記事もあります。もし当てはまるものがあれば、開いてみてください。開かなくても構いません。
- 前科や過去があって相談できない方へ|過去を問わない無料オンライン懺悔室(本人の立場から書いた記事です)
- 「親を殺したい」と思う自分を責めるあなたへ|無料・オンラインの教会
- 眠れない夜にひとりで抱えているあなたへ|無料・オンラインの教会から
※「死にたい」「消えてしまいたい」など命に関わるお悩みは、専門の相談窓口へ連絡することも大切です。よりそいホットライン 0120-279-338(24時間・無料)、いのちの電話 0570-783-556 など、公的な相談窓口もあわせてご利用ください。教会はその上で、心の支え・対話の場として並走します。
✚ 話を聞いてほしいだけでも歓迎です
アドナイ・エレ教会はオンラインで無料の懺悔室をお開きしています。
教派・信仰の有無は問いません。教会へ来られない方も、画面越しでお話しできます。
活動を支えてくださる方は献金・寄付のページもご覧ください
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